駐在妻コンプレックスの正体

  • 2019年9月17日
  • 2019年11月14日
  • コラム
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平凡妻はいわゆる「チューツマ」というやつです。(この響きイラっとしますわかります。)

転勤族の夫と結婚し、国内・海外問わず各地へ飛ばされる人生です。縁あってイギリスに来ましたが、実は最初の辞令はインドでした。

その後コロコロと会社の決定が変わり今に至ります。

駐在妻は引っ越しも多く一定の職場に勤めることは困難で、海外に出ればビザや会社規定の関係上、多くの場合は就労はできません。

(珍しくイギリスの私のVisaはTier2で就労可。ラッキー!)

つまり転勤族と結婚したが最後、資格職や自営業、フリーランスにならないと働くことは難しい。一般的なキャリアは捨てたも同然です。

そこで浮上する「駐在妻コンプレックス」

本日は私のチューツマ心に影を落とすこの問題についてお話する回です。

まずはじめに、駐在妻は大きく3タイプに分けられます。

  1. 世間のイメージ通りのチューツマライフを満喫している方
  2. 習い事もお茶も付き合いもダルい。できれば仕事をしたいけれどできず、生活や存在意義を見いだせない方
  3. 現地で就労したりする世間の駐妻の枠を抜ける玄人

①と③はコンプレックスとは無縁かと思います。

問題は過去の平凡妻含む②の駐在妻です。

コンプレックスの正体は「主体的にイギリスにいないこと。」なのかと思います。自分の人生の舵を取れないのは、想像していたより苦しい。

苦しくて辛い!というほどではないにせよ、いつもどこかでモヤモヤしている。

留学やワーホリなら目的あって渡英しているし、国際結婚でイギリスにお住まいなら愛する相手と生活を築くためでしょうか。

日本で日本人と結婚し、昨日まで英語に興味がなかった駐在妻は「夫の赴任のため」という上記の方々と比べて熱量の足りない理由でここにいます。

運よく①の、いわゆるキラ駐になれたらいいけれど性格上なれない方もいらっしゃる。③の玄人のようになれたらいいけれど、そこまで英語も得意じゃないという方も。

イギリスで知り合った日本人のなかには、イギリスで仕事があり、イギリス人やEU圏の人と結婚して現地に馴染んでいるように見え、また当然英語もハイレベルで自活能力もあるスーパーウーマンがいらっしゃいます。

こういう方を目の当たりにすると慄くのです。

「めっちゃカッコイイ!」

「それに比べて私は…。」

コンプレックスを刺激される。

平凡妻はコレです。

今は日本語教師の仕事もゆるいながらスタートし、有難いことにやることが増えました。以前より自分に自信が持てるようにはなったものの、それでも完全解消はされていません。

私よりはるかに逞しくイギリスで生きているように見える方々を尊敬しつつも、どこか引け目を感じるのです。

勿論、たくさんのご苦労がおありなのは想像に難くありません。

でもだからこそ、自分の人生を掴んでいる現地勢を眩しく感じます。言葉も堪能でイギリスに馴染み、主体的に生きている人たちが羨ましい。

「カッコイイな。すごいな。一体どんな生活なんだろう?」

頭では分かっているのです。

自分だってちゃんと生活している。でもそれは夫のお金です。抱えなくてもいいはずのコンプレックスを抱えてしまうのはバカらしいけれど、だからといって心はついていきません。

もしかするとイギリスに長く住まわれている方から見れば、駐在妻とは相容れないと思う方もいらっしゃるのかもしれません。

個人的にはどの駐在妻さんも尊いです。

自分のやりたいことを捨て、夫のために帯同を決めて新天地に飛び込むのは勇気がいります。ましてや日本が大好きで、現地語や英語が全くできない方でしたら苦労は相当なはず。

①の世間通りのチューツマライフは主に習い事やアフターヌーンティー、奥様同士のお付き合いでしょうか。

平凡妻は田舎住まい&中流家庭なのでご縁がなさそうですが羨ましいです。

金持ちマウントや駐妻ヒエラルキー等、キチってる事をしなければ何もやましいことはありません。

③の現地で就労する玄人は、Visa持ちで尚且つ会社の許可が必要なのでラッキー運に恵まれ、その上ご本人の自己実現へのバイタリティと言語力、それからタイミング等すべてを叶えたごく一部のみ。

敬服に値します。どこ行っても生きていけそう。

平凡妻はイギリスに来て5年で、短くはない時間が過ぎました。

渡英当初から比べれば器用に生きられるようにはなったけれど、まだまだ躓くことも多い毎日。

この先どこへ行ってもこのコンプレックスと向き合いながら、毎日を積み上げていく生活になりそうです。

というわけで、チューツマなんていいもんじゃねぇな、と思います。たまーにお花畑のお嬢さんに「いいですね!!!」てキラついた目で言われるんですけど。

お金?それとも世間のイメージ??

謎すぎる。

男に乗っかれて優雅ライフ送れると思ってるのぉお?!乗っかれるよ。別に一日草取りしたりクモ殺したりする日常だけど。ほんでタダじゃない。

平凡妻の場合は「乗車賃=もやもやした心」でした。それが安いのか高いのかは人それぞれです。

私の人生の舵取り権は常に夫にある。送られた地で何とか生きていくスキルだけは上手くなりました。

といってもこれを読んでくださる読者の皆様にも、生きていれば色々ありますよね。大人はカミングアウトしないだけで、人には人の闇があると前々回の記事「海外生活で母親に向いていないと気付いた」で学びました。

さっ、今日はイギリスは晴天です!

ウジウジするのはやめよう。平凡妻は平凡妻にしかなれないのだから。本日も皆様の一日が良き日でありますよう。

頑張っていきまっしょい!

ちなみに当方は引きこもり駐在妻ですが、いい年してまだこんな下らないことで足掻いております↓

「友達ができない悩みは永遠に。」