平凡妻、イギリス人を怒らせるの巻。イギリス育児日記

平凡妻の英語レベルは決して高くありません。

奇跡的にネイティブの友人達と会話が噛み合うのは彼らが平凡妻のヘタ英語に慣れてくれたおかげ説が200%。

分からない自分を分からないまま出すことに何の恥じらいもなく、

Sorry, what did you say?

と平気で数回聞き返す迷惑っぷり。

裏で悪口を言われても仕方ないレベルには会話の流れをせき止める岩と化しています。

そんな恥じらいもとうに忘れ去った平凡妻ですが、一度だけ発音を強く矯正された過去が。

友人のSarahはいつも穏やかで思ったことをストレートに言う人ではありません。だがこの時ばかりは怖かった。

目がマジだった。

青い目が完全に困惑と怒りで燃えていました。

事件はいつものように彼女の家で朝のお茶をごちそうしているときに起こりました。彼女の娘(4歳)のRosieが誕生日に買ってもらったというアナと雪の女王(英題はFrozen)のレゴを見せてくれた時です。

「Look, I have a lovely toy. I can share it if you want to.」=「いいもの持っているの。見て。良かったら一緒に遊んでもいいよ!」

…Oh,何ていい子なのでしょう。内心はこのディズニーレゴには興味0ですが子供の無垢な思いには応えたい。

そうだ、息子に相手をさせよう。

テーブルでおやつを貪っていた我が子を呼びます。

「Rosie will show you her favorite toy. Come on, look…she is Anna.」=「Rosieがお気に入り見せてくれるって。おいで。この女の子はアナっていうの。」

アナ、「アナと雪の女王」のヒロインの名前。松たか子じゃない方の神田さやかが吹替を担当したアナ。こっちがエルサね、こっちがアナだよ、と英語で何度も繰り返します。数回アナと繰り返したところでギロッと注意されました。

「No, it should be pronounced ‘ アーナ。’」

…やべぇ超キレてない?なんで?何かマズイこと言った…?

見つめ合う私たち2人。あれ、Sarahったらちょと気まずそうな顔で怒っている…?なんだなんだ!考えろ考えろ考えろ!平凡妻の頭ン中はフルスロット。

アナの発音がマズイってことは…アッ…これってもしかして…?そう気が付いた瞬間背筋が凍る。

…Anal=ア○ルって聞こえてたっぽい。

もうここで書くのも憚れるR18用語であり、4歳児に何回もア○ルア○ルってお気に入りのヒロインを指さし確認していたらそりゃあ誰でもキレる。

肛門と訳すよりもっとヒドいポルノ用語を紅茶を啜りながら連発しビスケットまで食べてきました。後半の味は覚えていません。

その後はいそいそとそのアナと雪の女王のレゴを一緒におもちゃ箱に戻しお絵かきしました。幸い息子も女児のファンシートイには興味を示さず、その後あのいやらしいワードをブリティッシュアクセントで発音する機会は今のところありません。

今なら間違いなく言えるだろう、アーナ!

この事件以降どんなに発音が悪かろうと注意されたことはなく、もし次されるとしたらその時は確実に友人を失うレベルの失言ということは確定しました。

というわけで、皆様も発音にはご注意ください。

危険は意外なところに落ちているものです。

アナと雪の女王を見かける度にあの日を思い出す平凡妻は、我ながらアホやなと思いながらひとり不謹慎にも大爆笑してしまうのでした。

コレは嘘のような本当の話。まだ彼女は良い友人です。良かった。