友達を作ることが難しくなったのはいつの頃からだったのか、もう思い出せません。
生きやすい大人になったはずなのに、いつの間にか学生の頃より友達作りに関しては下手になった気がします。
息子が小学校に入学しました。
ピカピカの新入生の息子と私は知り合いがいるはずもなく、0から人間関係を作らなければなりません。
ここはイギリス。
友達作りには英語での自発的なアクションが求められます。
・英語必須
・アジア人ボッチのアウェー感
という2大巨頭の壁がソコにある。
さらに「英語でネイティブママに参入する」というパねぇプレッシャーが平凡妻を襲っています。
毎朝スクールに送りにいく直前はお腹を壊してしまうほどにはストレスMAX。
お母様方の井戸端会議に参加しするかキョロキョロしつつ、Whatsapp(イギリスのLINEみたいなもの)のママ達のトークをスマホ越しに眺める日々。
久々に渡英したばかりの頃の、孤独だった自分を思い出しました。
そしてふと、じゃあ日本でならうまくやれるのだろうか、と考えるとそうとは思えない。
思慮深い大人になるとタブーな話題が増えます。
「好きな人いるの?誰?」と何でオマエに教えなきゃならんのだボケ、という質問を会って3日でしていたアホな女子共は成長します。
「収入を推測させるような仕事の話は避けよう。」
「育児の話はつまらないかも。」
「じゃあ旦那の愚痴ならいいのか?」
「チョ、待て。Aは結婚しているけどBちゃんは婚活中だ。」
「仕事を辞めたんだっけ?触れないのも気を遣っているみたいかも。」
「じゃあ旅行の話するか。自慢野郎と思われないためには…えーとですねぇ。☆○△!?!!ううん何でもナイ!」etc,etc。
脳内ポイズンベリー的事象が頭の中を駆け巡ります。
悩んでお口が進まないのなんのって。
結果、つーまんねぇ話しかしなくなる。
コミュニケーション下手な平凡妻は、天気と昨日何食べた?あータピオカタピオカ~のような無害ゆえ心底どうでも良い話題になりがちです。
誰も貴様のタピ活なんぞ興味はないと分かってはいます。(飲んだことない)
本音は言ってしまいたい。
「何の仕事しているの?」
「具体的にはどんなことをするの?」
「うちの主人は育児も頑張ってるよ。」
(数回は 離婚 財産分与 で検索したこともあるにせよ。)
「そんなに嫌いなら離婚したら?」
おそらく口に出したら憚れるであろうフレーズ群。
頭の中はあの「好きな人いるの?」的なブッ込んだ話がさっさとしたい。
相手にもして欲しい。答えるか答えないかは関係次第だとしても。
でもしないし、できない。
反町隆のPOISONが脳内リフレインしつつも勇気が出ない。
相手を不快にさせることなく高度な質問をサラっとできる人ではないし、かといって「合わなければそれまで。嫌われても仕方がない。」と強い人にもなれない。
つまり未熟で自意識過剰、それワタクシ。
そして何より、そこまでの仲になれるほど密な時間を新しく出会う人と過ごせていません。
家族のことを優先する生活には、友達が入る隙間はほんの少し。
イギリスに引っ越して5年経つと、日本の友人とは距離ができます。1年に一度の一時帰国のわずかな時間を作っても会いたい人はそんなにいなかったのです。
そして、それは相手も同じ。
何となく、お互いに気が付いてしまったのです。もう別れ時なのだと。あんなに大好きで、毎日一緒に笑いあっていたのに。
昔と同じ熱量で友達ではいられなくなった。でも大好きだった。
人生の分岐点で、彼女はあっちに、私はこっちに、いつの間に行き先が分かれてしまっていたのだと気付くのは暫く時間が経ったあと。
悪いことではないけれど、やはりどこか寂しい。
あの頃の気持ちでは一緒にいられない、という友情メロドラマが頭の中で流れ出します。
息子の入学をきっかけに新しい生活が始まった平凡妻。
というワケで友達を新規開拓するため、心でゲロを吐きながら週末はボッチでPTFAmeetingという保護者会in Pubに参戦してきます。
ワインを飲みながら他の保護者と親睦をはかる超絶lovelyな会です。
…こんなファンシー企画、どの野郎が発案しやがったのかしらん??
滅してしまえ。
平凡妻は小さな田舎町暮らしで日本人の知り合いはいませんが、ここに日本人がいれば仲良くできるのか、と思うとまた首を傾げます。
きっとお互いに親近感は感じるだろうけれど、それは単に日本人だから。
母国でなら通り過ぎてしまうような相手にもシンパシーは感じるかもしれません。
メリットは日本語で会話できることでしょうか。
そのメリットがとてつもなく大きい方もいらっしゃるし、気にしない方もいらっしゃる。平凡妻は気にしない方です。
英語を頑張るのは面倒ですが、感性が同じ方を求めます。
できればブラックジョークに寛大でシロクロはっきり好き嫌いを表現する方が好き。
誰にでも好かれるカレーのような人間に憧れつつ、平凡妻は多分イワシのサシミ的な立ち位置です。
生魚クセェこっち寄るな、という方もいれば、好きだよ~毎日は嫌だけど、と寄り添ってくれる方もいらっしゃる。
日本語だと言外のニュアンスや空気まですべて察知できてしまうゆえ、すごく疲れてしまうことに気が付きました。
英語なら、
「文化の違いよね。」
「どういう意味で言ったのかしら。」
(いやまぁ2つの意味で。)
「悪気はないのかも。いやあったの…か?」
「今聞き取れなかったけどまぁいいや」←オイ。
という紙一枚隔てて取る会話。
一方で、日本語だとコミュニケーションの解析度が高すぎてしまってイライラしたりする場合もある。合えば最高だけど。
母語でのコニュニケーションは、合わないと余計にごまかしが効かないのです。
じゃあ英語で友達作りがスムーズかというと、平凡妻にとっては日本語の150倍は難しい気がするのですが。
少なくとも毎日下痢しているし。
大人の友達って難しいなぁと思うこの頃。
留学やワーホリ、または移住でお友達作りに悩んでいる方。
または世界のどこにいても友人関係に悩んでいるあなたも、朝トイレにこもっている平凡妻を思い出して元気を出してください。
イキめ!イキむんだ!!
さすれば、道は開ける。
(いやお前の道まだ開いてねぇッスよ。)